あの家のこと③(小人たち)

ちょっと都市伝説めいていますが、
あの家の周囲で、複数の人々が「小人」に遭遇しています。


植え込みの下からひょっこり顔を覗かせたり、玄関の軒下にブラブラぶら下がっていたりと、
隠すつもりがないのか、結構アッケラカンと人前に出没しているんです。


目撃情報をまとめると、
体長は15cmほどの中年男性。
顔は皺くちゃで、
大きな鼻と、
尖った耳が特徴的。


これって、都市伝説でも何でもなくて
ホムンクルスでしょ?


だって、あの母親、ルネッサンス初期のヨーロッパで、錬金術師として暗躍したパラケルススと同棲してたんですから。


しかも噂によると、実際に錬金術を主導したのは彼女の方で、パラケルススの役割は医学知識による助言だけとの見方もあるくらいで。


いづれにせよ、あの母親、ホムンクルスの生成に成功してたわけですね。
しかも、フラスコの中でしか生きられないとされた人工生命体を、外気に曝されても生存可能なまでに進化させて。


最近ようやく写真を手に入れたんですけど……あれ!? この顔、斉藤サンに似てませんか!?


ってことは、
彼もホムンクルス!?
失敗作? 成功作?
最終の進化形!?
マジかよ!?